社内の総務・情シスへの問い合わせを自動化したいというニーズに対して、DifyはノーコードでRAGベースのチャットボットを構築できるツールとして注目されている。プログラミングの知識がなくても、画面上の操作だけでボットを作れるのが特徴だ。
Difyの基本構成
Difyは「ナレッジベース」「ワークフロー」「アプリ」という3つの要素で構成される。まずナレッジベースに社内マニュアルや就業規則のPDF・Wordファイルをアップロードすると、自動的にテキストが分割され、検索用のベクトルデータとして保存される。次にどのLLM(GPTやClaudeなど)を使うかを選び、質問に対してナレッジベースの内容をもとに回答するチャットアプリを作成する。
具体的な構築手順
1. Difyにサインアップし、新規アプリで「チャットボット」を選択する。2. ナレッジベースを作成し、対象の社内文書をアップロードする。3. プロンプト設定で「社内文書の内容のみをもとに回答し、わからない場合はわからないと答える」といった振る舞いを指定する。4. 生成されたチャットのURLを社内ポータルに埋め込む、またはSlack連携機能を使ってSlack上で使えるようにする。ここまでの作業はコードを一切書かずに、早ければ半日程度で完了する。
運用で気をつけたいポイント
社内文書は更新されることが前提のため、規程改定のたびにナレッジベースを再アップロードする運用フローを決めておく必要がある。また、機密性の高い情報を扱う場合は、外部のLLM APIにデータを送信することになる点を踏まえ、情報システム部門とセキュリティ要件を事前にすり合わせておくべきだ。Difyはセルフホスティング版も提供されているため、社外にデータを出したくない企業は自社サーバーでの運用も検討できる。
導入効果
総務や情シスへの定型的な問い合わせの多くは、就業規則や申請手順に関するものだ。これらをボットに任せることで、担当者は本来注力すべき個別対応や企画業務に時間を割けるようになる。小規模なチームでもすぐに試せる点が、Difyのような統合型プラットフォームの強みと言える。
回答精度を高める運用のコツ
構築直後は、想定していなかった聞き方をされて回答が的外れになることが少なくない。実際に社員に使ってもらいながら「答えられなかった質問」のログを定期的に確認し、ナレッジベースの文書に不足している情報を補っていくという地道な改善サイクルを回すことで、ボットの実用性は着実に高まっていく。